物質の移動、受動輸送や能動輸送について
こんにちは、福太郎です。
今回も前回に続き物質の移動についてです。
前回は拡散、浸透、ろ過について説明しました。これらの共通点はどれもエネルギーを使わずに勝手に物質が移動するという点です。
どういうことかと言うと、水を下から上に移動させるにはポンプなどを使って持ち上げる必要があります。パスタ機からパスタをニュル〜と出すためには手でハンドルを回す必要があります。
しかし、拡散、浸透、ろ過にはそういった外部からのエネルギーが必要ないのです。
拡散は濃度の濃い方から薄い方へ勝手に広がっていきますし、浸透は溶媒に引っ張られて勝手に水が引き寄せられます。ろ過も血行があれば血圧で勝手にしみ出していきます。
拡散させるためにうちわで扇いだり、浸透させるために反対から水を押したりしていません。
こういった移動方法を「受動輸送」と言います。受動的、つまり周りの環境に影響されていつの間にか起こる現象というわけです。
反対に移動させるためにわざわざエネルギーを使用する移動方法があり、これを「能動輸送」と言います。
能動的というのは自主性を持って自ら行うことを言います。つまり物質を移動させなければいけないので、わざわざエネルギーを使用して無理やり物質を移動させます。
この能動輸送で有名なのがナトリウムポンプです。
重力で上から下へ落ちたり、濃い方から薄い方へ広がったりするように、電位にもプラスとマイナスがあります。
そして体内には無数のイオンが存在しそれぞれのイオンが+やーの電位を持っています。
電流を流すとモーターが動いたりLED電球が点灯したりするように、筋肉や神経も電気によって動きます。この電気が体内のイオンの電位差によって生み出されるので、脱水になって皮膚から塩分が外に出ていってしまったりカルシウム不足になったりすると筋肉が痙攣したり意識がモウロウとしたりします。
ちょっと話を戻します。。。
電位差は細胞内と外とで+側ー側というように決まります。なのでNa+が細胞内に入ると+の電位になっている細胞外に出るのは電位差てきに不自然になります。
細胞外が+の電位になっている=+イオンの濃度が濃い=細胞内の方が+イオン濃度が薄いので+イオンが細胞内にあるときは濃度を保つために細胞内に残るのが自然です。
しかしNa+は細胞外に必要なイオンなのでエネルギーを使用してでも移動させる必要があります。ということで「ナトリウムポンプ」を使用してーイオンであるカリウムと交換しながら移動させます。